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ま、タイトルみると、当たり前じゃん って思う人が多いと思うんですけどね。
昨日Web制作会社のディレクターの方々とお話しする機会がありました。
主にお二人の方がいらっしゃって、一人は「アーキテクト」、お一人は「プロジェクトマネジャー」としてのディレクターを主としている方でした。
おもしろかったのは、お二人とも
という趣旨のお話をしていたこと。パブリックな意識というのか、仕事をしてきた上での問題意識というのか、キャリアも今仕事している会社の規模も全く違うお二人が同じことをおっしゃっていたのが印象的でした。
僕が先日「HTMLコーディング+αを探る」という記事で言ったように、うちも特にコーディングのディレクションについて、サポートしていこうという流れがあるので、彼らと問題意識が共通しており、話が盛り上がりました。
まず、前提として
ということをご了承くださいませ。
さてさて、コーディング時のディレクションですが、コーディング時に絞っただけでも結構いろいろなタスクが発生します。
まずここで、HTMLコーディングを「コーディング」と一つのタスク以上に分解できない場合要注意ですよね。やはり
くらいのタスクに分解することは必要です(もちろんスケジュールの用途によりますが、コーディングディレクションをする場合)。そして、それがWebサイトのカテゴリごとに 五月雨式に素材が出てきて、平行に走ることもざらにあります。
とすると、まず、これを線表というかガントチャートに落とすスキルが必要です。
コーディングに必要な素材はいつまでに集めればいいのか、チェックバックをいつ行わないといけないのか、というディレクターの業務の締め切りをきちんと把握するためです。
また、クリティカルパスを認識することで、マネジメントにメリハリをつけることができるでしょう。
まとめて言えば、コーディングのフェーズをWBSに落として、ガントチャートに落として、管理すると。
さて、このあたり、かものはしでもいろいろなツールを使って、今まで管理しようとしてきましたが、だいたい挫折しました。MicrosoftProjectやらGanttProjectやらExcelやらなにやら。だいたい案件が小さすぎると、管理だけやってればいいスタッフなんていません。
そんな中、お客さんの素材入稿が頻繁にずれていくことをスケジュールに反映していくだけでも一手間です。
あとは、スケジュール管理ツールって、みんなみないんですよね。壁に張り出すには変更が多すぎるし。
ということで今は全体の案件を一つのホワイトボードに書き込んでざっくりと管理をしています。ただ、リソース面からのチェックが弱くなったり、そもそも手書きなのでちょっと見づらかったりとまだ課題があります。
顧客側にたって制作会社のマネジメントを専門に行っている、先ほどのディレクターさん曰く
「PMBOKとは言わないが、WBSとPERT図くらい書けないとダメなんじゃないか?」
とのこと。実際に書いて運用するかどうかは別としても、必要なスキルであるのは間違いないでしょうね。
さて、次回は「こんな成果物嫌だ」というかたちで、成果物の品質を意識したマネジメントについてフォーカスしようかと思います。
アキュメンファンドのCEOであるジャクリーンさんの講演会に参加した。
アキュメンファンドは主に社会起業家に融資を行う非営利のファンドであるが、詳しくは
僕の人生にとっても大きな意味を持つであろう、刺激的な、そしてあっという間の2時間だった。
断片的にではあるが、印象に残った言葉(やや意訳)を書き留めておこうと思う。
いつかまたこのメモを見て、自分が勇気をもらうために。
「才能・気概のあるものが少ないと嘆いている場合ではない。ある歌にもあるようにずっと探していた人は自分だった、ということだ。変えられるのは自分だけ。あなたから世界を変えていけば良い。」
「お金だけではなく、KnowledgeとTalentの貸し出しも行う」
「私が火傷をしても進み続けるのは、私のなす事が私を勇気づけてくれるから。正しいことをやっているという確信、変わりつつある世界、顧客の笑顔。進み続ける以外の選択肢は無い。」
「伝統的なチャリティーだけでは問題は解決できない。そしてただ市場(=資本主義)に任せておいても不十分である」
「『貧しい人の一人一人が尊厳をもつまでは、富めるものが尊厳を持つことは無い』by マーチンルーサーキング」
「『人に尊厳を持ってもらうチャンスを提供する』ことでより自分の尊厳を高めることができる。尊厳は富よりも大事である。」
「まず一歩を踏み出しなさい。そして世界が次の一歩をどう踏み出すかをあなたに教えてくれる、それを聞き取るのです。」
「この種の事業を行ってリスクをとらないという訳にはいかない。」
「正しいことを『楽しむ』と決めた。」
「アキュメンファンドに関わる人すべてが家族だと思っている。」
「(カウンターパートなどの見極め方、スタッフの見極め方について質問されて)まず可能な限り人は信じると決めている。しかし、考えて確かめて、信頼を裏切ったのであればすぐにアクションを取るようにしている。」
「社会起業家、そしてそれを支援するファンドにとってもっとも重要なのは、『集中すること』である。顧客も事業も。」
※ちなみに、アキュメンファンドは、土地の取得に賄賂を払わなかったせいで二年間も待たされたようだ。
あれだけ的確に、前向きに、すべての質問に答える方に初めてお会いした。
きわめてロジカルでもあったし、それ以上に、幾度となく彼女を襲った深い悲しみや挫折、困難、喜びという彼女の実体験から来る人間観がにじみ出てきていて、優しくその場を包んでいた。
「世界を変えていく」という覚悟を持つ人、そして歩んできた道からにじみでる「徳」を見ることができたことは自分にとって大きな意味があるだろうと思う。
いつか僕自身が、彼女と同じ地平にたって、人に勇気と尊厳を与えられる人間になりたい、と誓った。
最後にこんな場を設定してくれたETIC.とJapan Societyの方に改めて御礼を言いたい。ありがとうございました。