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ひたすら実況中継系のエントリーだけはあげていたんですが、ちょっと落ち着いたのでまとめ。
内容は下記から
ETIC.が実施しているSTYLEやその他の社会企業家系のイベントではどうしても問題発見やモデル開発の初期段階に話が終始してしまうのだが、今回はその後のフェーズに焦点が合っており、少し玄人向けではあるものの、たくさんの気づきを得ることができた。
細かい分析や分類は井上研などで社会事業を研究されている方々にお任せする。
むしろカンボジアで事業を展開し、2008年度以降にスケールアウトという課題に直面するであろうNPO運営者という視点からすれば下記の点が印象に残った。
お招きいただきありがとうございました! 次はあそこでしゃべれるように頑張ります〜
(1.24追記)2007-01-23 Power of Story Telling〜日米の社会起業家カンファレンス@慶応 このエントリーを含むブックマークに人物名含めてよくまとまっているのでご参考まで!
ミュージックセキュリティーズ 小松社長
ビジネスモデルは個人投資家から音楽を発売するための小口の投資をあつめて、音楽を販売して、リターンを出している。
ビジョンはもっと音楽を自由に出せるようにすること。
※従来の音楽レーベルとの違いを説明する。主体が個人投資家になっている点が大きく違う。説明がわかりやすい。
プロモーションを個人投資家が担うのも大きな力になっているのでは?
ファンドの申し込みや契約などすべてのオペレーションもインターネット上で完結している。
自分が投資したアーティストの状況も全部インターネット上で閲覧することができる。
また、二つめの特徴として、ファイナンシャルリターンだけではなく、(アーティストとコミュニケーションをとれたりすると言う)コミュニティリターンを持っていること。
三つ目の特徴として、個人投資家がプロモーションをするためのツールとしてブログパーツや、メール機能などを実装している。
現在40本ファンドを回している。
一つは柏レイソルをベースとしてチームの応援歌を作ってしまおうというプロジェクト。チームの応援という文脈でうまくいった事例。
取締役の方から、コミュニティファンドの説明。 かものはしの横展開においても参考になるやも。
応援したいという思いが金銭以外のドライバーとなり、コミュニティリターンという形でリターンを多様化し増やしている。
「投資自体がエンターテイメント」人の成長を応援するというエンターテイメント。
そのほかにも
今後は音楽以外、たとえばレストランとかNPOとかのファンドをインターネットを活用した形でやっていきたい。
井上さん「お金の出し方もいろいろある。お金の返し方もいろいろある。個人の価値観に従ってそういう投資のお金がソーシャルな分野に流れているということ」
会場「そこにお金を出したところでどの程度社会が変わるかというソーシャルのパフォーマンスをどうはかるのか?」
アラン「助成金を申請するかたちから投資家を募るという形に変化する。ビジネスが始まる。政府がやればどの程度のお金がかかるのかということも一つの指標になる。そして年次の報告書を書くことになる。もちろん社会変革には目に見えない変化もある。ただ、財務的な観点で無駄をなくすといったことが必要ではある。アメリカで毎年ソーシャルベンチャーのランキングが発表されるが、社会サービスにどの程度効率的にお金を使えているかということを発表している。」
シンクレア「会計士を入れてきちんとチェックはしている。ただ、経営のメンバーと、スケートボードで滑っている少年たちとに同じくらいわかりやすい説明ができるようにシンプルな指標をもつことができれば成功するだろう。」
会場「資金調達のやり方が変われば、既存の財団などはどうなるのでしょうか?」
アラン「社会変革者は現状を揺るがすのが役目。助成金を受け取る財団は、資金調達のやり方が変われば、それに気づき自分たちのモデル(いろいろな提案書をただ待っている)を変えていく可能性がある。社会サービスのやり方を変えるのに伴って財団のやり方を変えればいいし変わらないなら解体すればいい」
fast companyの編集長である、
人の紹介
ビジネスプランを描くだけではなく、自分が目標を達成するストーリーを描くことが必要。
彼らは非営利団体と企業の関わり方を大きく変えた。
次に駒崎君。日本のスター。フローレンスはここ。
なぜ自分が病児保育にとりくんだのか。「結婚しているわけでも結婚してくれと言ってくれる彼女がいるわけでもない。」
母親の経験を通じて、当たり前のことが当たり前に行われていないという驚き、憤り。
コミュニティを活用して、ネットワークを作り子どもたちを預かっていく。
物理的に地区を増やしていくという水平展開においてはギャザリング方式を採用(コミュニティ作りのためにも、一定以上の受益者が集まって誘致を行ってくれて初めて展開するやり方)
そして垂直展開ということで、ワークライフバランスのコンサルティングや、ソーシャルプロモーションの事業を展開していくことで短期・中期・長期で問題を解決していきたいと考えている。
会場「自分のノウハウをほかの組織とシェアして行くのか?」
ヴィル「対話の促進が重要。話し合う場を増やすこと。また、ほかの組織のマーケティングに協力している。能力開発にも協力している」
キャメロン「緊急支援で集まったときに、NGOで夜バーに集まった。その後コミュニティで、NGO+政府で失敗例を語り合った。成功例だけではなく、失敗例を共有することが大事」
駒崎「ビジネスの原則に反する可能性があるが、オープンアーキテクチャーでいくことで、モデルを模倣していく人が増えてきてくれた」
会場「国を超えて展開する際、文化をも超えなくてはいけない。その際に大切にしていることは?」
キャメロン「時間をかけること。村に住んででも文化の違いを理解する。小さな変化、成功例を生むことでそこから出発することができる。」
キャメロン・シンクレアさん。
建築家としてキャリアをスタートすることを考えたが、Architecture for Humanityという弱者のための避難の家を造る活動を始めた。
700$でスタートしたが、今は建築を基本とする世界最大のNPOとなっている。
2004年以降、自分たちのモデルを横展開させていく際において急成長した。自分のモデルを誰でもまねしていいですよ、という形で門戸を開いたところ爆発的な成長を遂げた。
インターネットを活用したマーケティング。ファンドレイジングの3割は企業だが、それ以外には個人。寄付の8割はインターネット経由。そのほかにDJやスノーボーダーなど。
拡大の仕方は「自分の役割を定義し直すこと」。(世界に35の支部があるが、かれはそこを飛び回っており、ラップトップと電話がオフィスだそうだ。)
活動としては、緊急支援の時にローカルのコミュニティの力を中心に立て直していくことが必要だと考えており、コミュニティにとけ込んで、パートナーとしてとらえて再建を協力していく。
そういった現場ではタグボートのように柔軟に動くことが必要。従来のNGOのようにオイルタンカーではなく。
罪悪感を押しつけるのではなく、希望を売ることが重要。
現在は104カ国にアーティストを派遣している。
彼自身はやり方を伝えて、各組織を分権していく。
まずはスケールアウトにはどんな課題があるんだろうかというワークショップ。SFCの下口さんと2分間話す。
同じビジネスモデルであっても、課題がかわって行くということ、ボトルネックにカンボジア人の経営者がなっていくということを学ぶ。
ここでサンフランシスコとの中継。ビルさんが始めた活動を世界に広げることを担当しているヴィリーさんのプレゼンテーション。
お金は物を言うが、メディアは叫ぶ。 (インターネットも含む)メディアを有効活用して、メッセージをとどけていくことが重要。
プレゼンの中では、データを元に、サンフランシスコの貧困層の様子を浮き彫りに。このあたりプレゼンうまし。
ビルの言うとおり「きちんと環境を整えている」とのこと。
ビデオ制作や、Web制作などを教えているが、メディアを使って地元の企業を巻き込んでいくことで生徒の人数を倍々に増やしている。
岡部さん FunnyBee代表
横浜の寿町(日本三大ドヤ街の一つ)の再生、プロモーションを手がけていらっしゃる。寿町についてはここを
寿町のプロモーションムービーを見せていただく。NGOさなぎたちの紹介。寿町の衣食住医などをささえる。
グリーンプロジェクトという感じで待ちを緑で埋め尽くすということがビルさんの主張する、環境を変えることで人が変わるという点に似ているのでは。現在沿道がプランターで埋まり、不法投棄が無くなっている。
選挙権があることを知らない人たちに選挙権があることを伝える広報プロジェクト。
それにしてもプロモーションがすてき。
ビルさん曰く「社会のリソースを割いてコミュニティをデザインしていくというのは非常に重要なこと」
フランクロイドライトさん(建築家)の影響が両者ともにあるよう。
運営において学生も含めて人を巻き込んでいくやり方も秘訣は場作りにあるといえる。
ビルさん「次世代のリーダーが今日集まっている。リクルートしたいくらいだ。わくわくしてほしい。」
また、最後に岡部さんが紹介してくれた、入れ墨をしょった人たちが、互いに介護をしているのを見て、感動しました。
メッセージは「デザインは贅沢などではなく、環境作りのための一つの言語なのではないか?」
ビルさん曰く「スケールアウトのための課題は、ローカルリーダーを見つけること、コミュニティが自信を取り戻すこと、本人たちが自分たちに投資するための協力を取り付けること」 とのこと。